杭の健全性試験(IT試験)

開発の背景

杭基礎の役割は、建物荷重を安全に支持地盤に伝えることです。打設後は直接目で見ることができない杭の健全性を調査することは、その上に立つ建物の信頼性につながる重要な業務です。IT試験は、新設杭の健全性を調べるために開発された技術ですが、最近では、杭長の推定や既存杭の再利用、地震後の杭の損傷状況の確認等にも利用されています。

【ダイジェスト】IT試験の様子

目的

  • 杭の健全性評価

利用法

  • 既存杭の再利用の適否判定
  • 杭の品質管理

近年、コスト縮減や資源の再利用が特に求められるなかで、杭の健全性試験による評価は、既存杭の再利用の適否判定や、杭の品質管理手法の1つとして重要視されています。
当社では、オランダProfound社のSITシステムを用いて、杭の健全性評価を非破壊で行っています。本試験は杭頭をハンマーで軽打して弾性波を発生させ、杭頭に設置した加速度計から得られた応答(反射波形)を測定することにより、既製コンクリート杭や場所打ちコンクリート杭等の健全性を、迅速で簡便に評価することができます。

IT試験の特徴

  • 各種杭に適用可能
  • バッテリー駆動のため電源不要
IT試験本体

得られるデータ

  • 杭長の推定
  • クラックや断面欠損の有無と位置の推定

IT試験は、ハンドハンマーで杭頭を打撃して杭体に弾性波を発生させ、杭頭に設置したセンサー(加速度計)でその反射波を観測し、それを解析することで杭の欠損、欠陥の有無、杭長を調べる非破壊試験法です。杭頭が露出していない場合や上部にフーチング等の構造物がある場合は、杭頭側面を掘削して杭の側面を露出させて、側面から測定する方法や、直上から杭頭部までの構造物を削孔して、その孔底で測定する方法等により、測定することが出来ます。

  • 場所打ちコンクリート杭
  • 既製コンクリート杭

実績

IT試験は、短時間で多くの試験が可能なことから、出荷前の既製コンクリート杭の品質検査、あるいは施工後の場所打ち杭の品質や性能の検査に利用されています。

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